入浴と血圧、失神
お知らせ在宅訪問事務所
最近、患者さんから「お風呂に入っていると眠くなる」という訴えを聞いたのでそのお話。
お湯に浸かると熱によって血圧が上昇します。
そこからしばらくすると今度は下降し始めます。
上がった分だけ下がるわけですが、動脈硬化がある場合は上下の振り幅が大きくなります。
この際血圧の高低差が50以上になると、意識を消失する可能性が生じるといわれています。
すなわち、眠くなっているのではなく気を失いかけているということです。
これから暑くなってくると入浴中の脱水にも注意すべきです。
汗をかいて脱水状態になると血液の流れが悪くなり、脳への血流量が足りなくなるとこれも失神の原因となります。
濃くなった血液は血栓を作りやすいので、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まります。
入浴の前に水を飲んだ方がいいと言われるのはそういう理由です。
寒暖差によるヒートショックや脱水症状への注意喚起はよく聞かれますが、実際命に関わる重篤な事故につながりやすいのでどんなに気をつけても気をつけ過ぎることはありません。