こむら返りとその対処法
お知らせ在宅訪問事務所
本格的に暑くなってきました。
この季節になると、在宅訪問マッサージの現場では、ご高齢の患者さんからこむら返りを起こしたという訴えがよく聞かれます。
こちらの言葉では「足が攣れる」といいますね。
こむら返りを定義すると、「筋の不随意的な、持続的で強直性の収縮である有痛性の筋攣縮」となります。
“こむら”とはふくらはぎのことですが、それ以外に太もも、足の裏、首、背中、お腹、腕に起こることもあります。
これを治すには、攣縮している筋には力を入れず、手で静かに徐々に伸ばすことです。
ゆっくり行うのが原則で勢い良くやってはダメです。
ふくらはぎであれば膝を伸ばした状態で足関節を反らせます。
大腿二頭筋(太ももの裏側)であれば、仰向けになって膝を伸ばし、そのまま足全体を上に持ち上げます。
足の裏だったら立ち上がって静かに荷重をかけます。
なぜこむら返りが起きるのかと言えば、筋肉にじゅうぶんな栄養と水分が行き渡っておらず、正常な動きが出来なくなるからです。
一言で言うと脱水と電解質異常です。
具体的に起こりやすい状況を挙げてみます。
- 疾走や跳躍など,筋を過度に使用する運動時や運動後。不十分なウォーミングアップや過度の緊張。
- 高温多湿状況下、それにおける発汗過多。気温の急激な変化。
- 下腿静脈のうっ血。高齢者は就寝中に布団の重みが原因でこむら返りが起こることもあります。
- 糖尿病や腎不全、肝硬変のある人。代謝異常が起こりやすいからです。
- 妊娠中でカルシウムやマグネシウム不足が続いているとき。
- 下痢による脱水が起きているとき。
こむら返りの予防には、水分と電解質(主にカリウムやカルシウム、ナトリウム、マグネシウム)の補給が大切です。
これらをバランス良く摂れる食品を以下にまとめましたのでご参考にしてください。今年の夏も暑くて長くなるそうで先が思いやられますね。
カリウムが豊富な食品
- バナナ
- アボカド
- ほうれん草・小松菜
- サツマイモ・じゃがいも(皮ごと食べるのがおすすめ)
- トマト・トマトジュース
- きのこ類(特にエノキ、しめじ)
マグネシウムが豊富な食品
- ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)
- 大豆製品(豆腐、納豆、おから)
- 海藻類(わかめ、ひじき)
- 全粒穀物(玄米、オートミール)
- ダークチョコレート(カカオ含有量70%以上)
カルシウムが豊富な食品
- 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
- 小魚(いりこ、ししゃも)
- 小松菜・チンゲン菜
- 大豆製品(特に豆腐)
- ごま
ナトリウム(塩分)
- 塩(適量)
- 梅干し(クエン酸も含むので一石二鳥)
- 味噌汁(野菜を入れて具沢山に)
おすすめの組み合わせ例
- バナナ+ヨーグルト+オートミール+ナッツ
- 豆腐と小松菜の味噌汁、玄米ごはん
- ダークチョコレート+アーモンド
- サバとひじきの煮物、アボカドとトマトのサラダ