膝の痛みが治るようになるかもしれない話
お知らせ在宅訪問事務所
変形性膝関節症という疾患があります。
骨が変形し、軟骨がすり減って日常生活動作の際に痛みが出るというものですが、現代の医学の力を持ってしても一旦変形した骨は元に戻らず、軟骨も再生しません。
痛み止めを服用しながらリハビリをして筋肉を強くするというのがこの病気への基本的な対応です。
重篤な場合は人工関節への置換が検討されます。
それが、日本の「プライムルナ」というバイオ企業が、画期的な新薬を開発して来月から臨床試験を行なうことになりました。
これはmRNAを患部に注射し、コラーゲンなどをつくる軟骨細胞の働きを高めるものです。
ワクチンではなく治療薬向けにmRNAが使われるのは初めてで、成功すれば多くの患者さんの希望となります。
期待が高まります。
※mRNAとはなにか
mRNA(メッセンジャーRNA)は、DNAに書かれている遺伝子の情報をコピーして、細胞の中で「タンパク質を作る工場(リボソーム)」に運ぶ分子です。
- DNA:設計図が保存されている本
- mRNA:設計図の必要な部分を写したコピー(メモ書き)
- リボソーム:そのメモを見ながら実際に部品(タンパク質)を組み立てる工場
例えるならDNAがレシピ本、mRNAがレシピを写したメモ、タンパク質が「料理」のようなものです。
つまり mRNA は、「DNAの情報 → タンパク質を作る」橋渡し役です。
ワクチンで言うと、通常は「弱らせたウイルス」や「ウイルスの一部」を体に入れて、免疫をつけるのに対し、mRNAワクチンは、ウイルスの「タンパク質を作るレシピ(mRNA)」だけを体に入れます。